総入れ歯をインプラントにした症例(70代 女性)

患者:70代 女性 

主訴:「入れ歯が動いて気になる」

入れ歯の不調を主訴に他院より転院された患者さんです。

「差し歯」が取れて「総入れ歯」になってしまった

もともと上の前歯は連結した差し歯(ブリッジ)が入っていましたが、数ヶ月前に虫歯が原因で前歯が取れてしまったそうです。そして、再度差し歯にすることで出来ない状態であったため、総入れ歯を製作したとのことでした。

総入れ歯を使用している患者さん

主訴は「入れ歯が動いてしまうのが気になる、よく噛めない」というものでした。総入れ歯は歯茎で支えているだけなので、どうしても動きやすいですし、自分の歯と比べるとよく噛むことが出来ません。しかし、患者さんの訴えはそれだけではありませんでした。

よく話を伺うと、主訴である入れ歯の不調意外に、見た目の問題が強いようでした。食事後や就寝前など入れ歯を外した時に歯のない自分の顔を見るのが嫌だというのです。歯で顔の印象は大きく変わるので、歯のない自分の顔を見た患者さんの辛さが想像されます。

取り外しが必要ない「歯」をインプラントで

患者さんの悩みを解決するためには、「取り外す必要がなく良く噛める」状態を実現する必要がありました。これにはインプラント治療は最適です。相談した結果、上顎は総入れ歯をやめて全ての歯をインプラントで作ることになりました。入れ歯を長期間使用していると歯茎が痩せていることがありますが、抜歯から日が浅いため歯茎の状態は良好です。

歯科用CTを撮影し、シミュレーションソフトでインプラントの治療計画を立てます。奥歯の部分は上顎洞(鼻と繋がっている空洞)が近接しており、そのままインプラントを入れるのは困難でした。今回は、インプラントを傾けることで上顎洞を避ける傾斜埋入という方法で対応しました。

よく噛めて綺麗な歯が入りました

インプラントが骨と結合してから仮歯で見た目や歯磨きの状態を確認し、最終的にセラミックの歯が入りました。入れ歯のように取り外す必要がなく、よく噛めるので、患者さんはとても喜んでいました。下の歯はもともと入れ歯を使用していたということもあり、インプラントを2本使用したインプラントオーバーデンチャーで対応しました。

インプラント治療

インプラント1歯(インプラント埋入術、二次手術、上部構造)480,000円(税込528,000円)
CT撮影、ガイド、骨造成等を含む。
インプラント3歯1,110,000(税込1,221,000円)
インプラント12歯(オールオン4など)2,800,000円(税込3,080,000円)
CT撮影、ガイド、仮歯等を含む。
インプラントオーバーデンチャー(インプラント2本の場合)950,000円(税込1045,000円)
金属床義歯、アタッチメント、義歯調整等を含む。